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物語の世界へといざなう刺しゅうのぬくもり ― annas

2010年10月31日13時01分
ぬくもりを大切にした刺しゅう小物作品を作り続けるannas(アンナス)の川畑杏奈さん。いまにもちょこまかと動き出しそうな小さな動物たちや、やさしい香りが漂ってきそうな可憐なお花の図案、さらには、私たちを物語の世界へいざなってくれそうな、童話のワンシーンを切り取ったような作品たち。最近は、図案を提供するお仕事も増えてきたというannasさんに、刺しゅうへの思いについてうかがいました。

annas 川畑杏奈さん/Anna Kawabata

1980年10月3日生まれ、大阪府出身。幼稚園教諭を3年間勤めた後、刺しゅうを始める。現在は東京・関西を中心に刺しゅう教室を開催しながら、書籍や雑誌などでの作品発表、刺しゅうキットの制作、個展やイベントで作品の販売も行う。著書に『annasのはじめての刺しゅう布物』(美術出版社)がある。作品取り扱い店舗は「Sunny days」「LuLu」。(※お出かけの際はお店に在庫をお問い合わせください。)
ホームページ:http://sky.geocities.jp/annas_ocha/

「こんな刺しゅうがあったらいいな」というところから図案を考えます


作品「「切手風スワンブローチ」。
―今年のはじめに、素敵な本を出版されたのですね。

はい。『annasのはじめての刺しゅう布物』(美術出版社)を出させていただきました。

―本を出版されたきっかけは?

東京に住んでいたときに、神保町の雑貨ショップ「アミュレット」にも作品を委託販売させていただいていたのですが、お店の方が私の作品を気に入ってくださって、作品展をさせていただくことになったんです。そのときのワークショップに来てくださったのが、出版社の編集の方でした。普通のお客様としていらしていただいたので、出版社の方だとは知らなくて、ほかのお客様と一緒に刺しゅうをしてくださったんです。その後、その方からメールが届いたんですが、それが本のための企画書だったんです!

―すごいですね!

はい。うれしかったです。いつかは本を……という気持ちは持っていたのですが、こんなに早く実現するとは思っていませんでした。楽しみながら作らせていただいた1冊です。その編集の方は、今でもワークショップや個展に来てくださるんです。本当にうれしい出会いです。

―刺しゅう作家になったきっかけ、いきさつを教えてください。

はい。刺しゅうというのはたまたま辿り着いたものなんです。でも、何かを作って発表したいという気持ちはずっと持っていました。それで、最初は身近にある布で作品を作ってみたのですが、出来上がったものに「刺しゅうを入れたらもっとかわいいんじゃないかな」と思い、いろいろと試行錯誤しているうち、今のスタイルになりました。誰かから影響を受けたとか、何か映画を見てやってみたくなっ たとか、そういう具体的なきっかけはなくて、何か作品を作りたいと思ったとき、アクセサリーや 羊毛などいろいろチャレンジしていくうちにいちばんしっくりきたのが刺しゅうで、それがいまだに続いているという感じですね。


(左)神戸の雑貨ショップ&カフェ「BERET」でのワークショップ風景。みなさん、真剣です。
(右)ブルーやグリーンのグラデーションがきれいな「すずらんブローチ」。アンティークの台紙に飾って。

―作品にはどのようなものがありますか?

図案は『ステッチイデー vol.10』(日本ヴォーグ社)で赤ずきんちゃんの刺しゅうなど4点が表紙になったあたりから、私イコール、赤ずきんの人 みたいな感じで覚えてもらうことが多くなりました。赤ずきん以外にも物語の刺しゅうはたくさんしています。幼稚園に勤めていたこともあり、絵本や童話は身近な存在で、大好きなんです。だから、自然と物語のワンシーンを切り取って刺しゅうするようになったのかもしれません。それ以外には、花や動物など、自然モチーフが多いですね。根本的に自然や大地、空、海……地球が好きなので、私が感じる地球や自然の恵みのイメージが作品にも出てきているのではないかと思います。自分が心地いいと思う色や形、素材感で表現しているので、よほどのことがない限り、今のテイストで作り続けるのではないかと思います。

―作品は、刺しゅうを施した布小物が多いですか?

ボタンとかブローチとかが多いですね。やはり、刺しゅうが主役になるような作品をつくれたらなというのがあります。

―ブローチは小さくてかわいくて、いくつも欲しくなりそうですね。

実際に、ブローチはコレクションしてくださる方が多いんですよ。何個か集めてその日の気分や洋服に合わせて使っていただいているお話もよく聞きます。カードケースやポーチは「愛用していますよ」とバッグから取り出して見せてくださるお客様もいたり……。お客様のバッグから、私のポーチが出てくるのを見るとうれしくなります。


(左)好きなものを飾っている棚。
(右)お気に入りの雑貨 魚焼き機に古い楽譜を挟んで……。

―annasさんの刺しゅうは、ほっとするようなかわいさですよね。安心するというか……。図案はどのように考えていますか?

ありがとうございます。高校生の時は美術部だったんです。もともと下手の横好きで、絵を描くのも好きでした。なので「こんな刺しゅうがあったらいいな」というところから図案を考えたりしています。そして、ひとめ見てぱっと分かる、誰が見ても分かりやすい、そんなシルエットを考えています。例えば、物語のワンシーンを刺しゅうする場合も、どの場面を刺しゅうすれば、その物語だと分かってもらえるか……、同じ物語でも挿絵家の違うものを何冊も何冊も読んで、図案を考えます。小さな刺しゅうの世界で、物語のタイトルをぱっと思いついてもらえると、うれしいです!

―シルエットで作品を表現しているのですね?

そうですね。色と形が、私らしさかなって思います。刺しゅう糸で絵を描いてはいるのですが、フォルムを分かりやすくし、色数を押さえることで、シンプルにかわいく表現しています。小さい世界なのでデフォルメはしていますが、フォルムは、なるべく本物に近づけるようにしています。例えば、ネコのお尻の丸みとか、女の子の等身とか、物を見たときに「かわいい」と思うポイントは大切に考えてデザインしています。絵を描くというより、デザインしていると言った方が合っているかもしれないですね。まだまだ技術が足りませんが そういうポイントが作品に反映できるように努めています。

あとは、例えばブローチだったら「シンプルな色遣いだと、どんな洋服にも合っていいな」とか、ある程度考えて作っています。でも、選んでくださった時点で、その方が私の作品をどんなふうに生活に取り入れようかを考えて買ってくださっていると思うので、自由にみなさんのアイデアで使ってほしいです。色は、気がつくとブルー系ベースになってしまっているので、自分でもびっくりしてるんですけど……(笑)。

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annas , ブローチ , いなだみほ , 刺しゅう , ボタン ,

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